高師直の似顔絵

高師直のイラスト

高師直

こうのもろなお
(?-1351)
鎌倉時代末期~南北朝時代の武将
室町幕府初代執事、武蔵・上総守護

高師重の子。足利家執事の家職を継ぎ、尊氏に終始付き従う。幕府発足後は執事職のほか恩賞業務や所務沙汰などに携わる一方、北畠顕家や楠木正行といった南朝方の有力武将を討ち取る武功を上げた。しかし1349年、幕政を主導する足利直義与党との対立が表面化し、将軍尊氏や南朝をも巻き込んだ全国的争乱へ発展(観応の擾乱)。摂津打出浜で直義軍と雌雄を決するが大敗、護送中を直義派の上杉氏によって暗殺され、高一族は勢力を失った。

今の武蔵守(師直)・越後守(師泰)の振舞いを見ると、世の中が治まるとは思えません。…「京には王という人がおわす内裏や院御所とかいう所があって、我らはわざわざ下馬せねばならないのが面倒だ。もし王だの院だのが必要ならば、木彫りか金物でこしらえて、生きた本物はどこぞに流して捨ててしまえば良かろう」などと言う浅ましさでございます。

「太平記」
巻第二十六『妙吉侍者言付秦始皇帝事』
僧妙吉による足利直義への讒言

関連人物

  • 足利尊氏(初代将軍):主。主に軍事面で師直を重用。
  • 足利直義(副将軍):政敵。執事職の権限拡大を嫌って確執を深めた。
  • 足利義詮(将軍家嫡子):直義失脚後、師直の補佐を受けた。
  • 足利直冬(直義派の武将):尊氏の庶子。師直軍によって九州へ落ちた。
  • 後村上天皇(第97代天皇):師直軍の吉野攻略によって賀名生へ逃れた。
  • 北畠顕家(南朝方の公家武将):和泉堺浦・石津で師直軍に敗れた。
  • 楠木正行(南朝方の武将):正成の子。摂津四條畷で師直軍に敗れた。
  • 高師泰(師直派の武将):兄弟。師直同様に武名を馳せるが共に抹殺された。
  • 高師冬(北朝方の武将):従兄弟。関東執事として関東の南朝勢を攻略。
  • 塩冶高貞(北朝方の武将):謀反の疑いを受け滅ぼされたという。
  • 兼好(隠者・文人):高貞の妻への恋文を代筆した逸話がある。

参考資料

  • 騎馬武者像(京都国立博物館蔵)

(2012/05/16 改作)