鍋島直正 / 鍋島閑叟
なべしまなおまさ / なべしまかんそう(1815-1871)
幕末の外様大名、明治初期の政治家
肥前佐賀藩第10代藩主
鍋島斉直の十七男。初名は斉正。1830年に父から家督を継ぐと、破綻寸前の藩財政を再建すべく殖産興業を推進。外国船出没に備え、長崎警備を重視して軍備の近代化を実施、反射炉を建築して大砲の製造体制を整えた。また蘭癖で知られ、蘭学を奨励して種痘の普及にも貢献。幕末期の佐幕・尊王・公武合体派とは慎重に距離を置きつつ、戊辰戦争では強力な軍事力によって官軍に重きをなす。新政府では議定に列し、蝦夷開拓使長官などに就いた。