源実朝
みなもとのさねとも
(1192-1219)
鎌倉幕府第3代将軍
源頼朝と北条政子の次男。祖父北条時政の保護の下で成長し、兄頼家と比企氏が失脚すると12歳で将軍職に就いた。母政子・執権義時らの補佐を受けながら次第に自立、和田合戦などの不穏な情勢下で将軍親裁を進め、後鳥羽上皇や公家方とも交流して朝幕協調も図る。一方、無謀な渡宋計画や急速な官位昇進には反発も生じた。右大臣拝賀のため鶴岡八幡宮に参詣した際、甥公暁によって暗殺された。歌人として名高く、歌集「金槐和歌集」がある。
出でいなば 主なき宿と なりぬとも 軒端の梅よ 春を忘るな
私が出て行ったなら、主のいない家になってしまうけれども、 軒端の梅よ、春を忘れずに咲いてくれ。
「吾妻鏡」
建保7年(1219)1月27日条
関連人物
- 源頼朝(初代将軍):父。実朝が9歳の時に急死。
- 北条政子(尼御台):母。親権を行使する形で将軍権力を代行。
- 源頼家(第2代将軍):兄。比企氏を後ろ盾とし、北条氏との確執が表面化。
- 北条時政(初代執権):外祖父。幼い実朝を将軍に立てつつ、幕政を主導。
- 北条義時(第2代執権):叔父。父時政を引きずり下ろして実権を掌握。
- 和田義盛(侍所別当):重臣。打倒北条のため、実朝の慰撫を振り切って挙兵。
- 大江広元(政所別当):重臣。実朝の急速な官位昇進を諌めた。
- 後鳥羽上皇(第82代天皇):「実朝」の名や高位高官を与えて朝幕協調を支援。
- 藤原定家(歌人):歌道の師。
- 飛鳥井雅経(歌人):歌や蹴鞠を通じて交流。
- 公暁(鶴岡八幡宮別当):甥。実朝暗殺後、自らも三浦氏の刺客に誅された。
参考資料
- 永井如雲:「国文学名家肖像集」より
参考リンク
- 源実朝の歌(やまとうた)
(2017/02/23 改作)