エピクロス
Epicurus(前341-前270)
古代ギリシャの哲学者
サモス島出身。ギリシャ各地や小アジアを遍歴後、前307年頃にアテナイで学園(エピクロスの園)を設けて万人に門戸を開いた。デモクリトスの原子論と倫理学を継承し、それに基づく実践的哲学を追究。人生の目的は欲望や激情、死の恐怖を克服した心の平静(アタラクシア)を求める事にあるとし、健康で質素な共同生活を通して得られる精神的な快楽を重んじた。快楽を最高善とする思想は後世に誤解され、美食や享楽主義といった意味に転用された。
関連人物
- デモクリトス(哲学者):原子論的唯物論を展開した先人。
- ゼノン(哲学者):キプロス島出身の同時代人で、ストア派の祖。
- ルクレティウス(詩人):エピクロスの原子論に基づく哲学詩を執筆。
- ヴァッラ(人文主義者):「快楽論」を執筆し、エピクロス的幸福論を主張。
- ガッサンディ(哲学者):エピクロスの原子論を復興させた。
- マルクス(思想家):デモクリトスとエピクロスについての論文を執筆。
- フランス(詩人・批評家):評論「エピクロスの園」を執筆。