マリー・アントワネット
Marie Antoinette(1755-1793)
フランス王ルイ16世の妃
マリア・テレジアの末娘。ハプスブルク家とブルボン家との同盟のもと、14歳でフランス王太子ルイと結婚。しかし享楽的な性格や浪費癖、首飾り事件などのスキャンダルによって民衆の反感を買い、フランス革命時の1791年には一家によるパリ脱出計画が失敗し、王威を完全に失墜させる(ヴァレンヌ逃亡事件)。やがて革命戦争が勃発すると、王政維持のため諸国へ武力干渉を要請した事で動乱が激化。共和政の樹立後、革命裁判を通じて断頭台へ送られた。
妹よ、私が最後に手紙を書くのは、あなたに対してです。
今、死刑判決を受けたところですが、これは恥ずべきものではありません。死刑は、罪人にとってのみ恥ずべきものであり、私は、あなたのお兄様(ルイ16世)と一緒になるよう宣告されたのです。お兄様と同じく私は無実ですから、最期の時でも、お兄様と同じ毅然とした態度を示したいと思っています。1793年10月16日
義妹エリザベート宛の遺書(抜粋)
関連人物
- フランツ1世(神聖ローマ皇帝):父。
- マリア・テレジア(神聖ローマ皇后):母。ブルボン家との政略結婚を推進。
- ヨーゼフ2世(神聖ローマ皇帝):兄。啓蒙専制君主として知られる。
- ルイ16世(フランス王):夫。財政改革に努めるが保守派の反発で挫折。
- マリー・テレーズ(王族):長女。アングレーム公妃として天寿を全うした。
- ルイ17世(王太子):次男。恐怖政治下で監禁され夭折。
- フェルセン(スウェーデン貴族):愛人。逃亡計画を支援するが失敗。
- グルック(宮廷音楽家):音楽教師。
- ヴィジェ=ルブラン(宮廷画家):王妃や周辺王族の肖像を多く描いた。
- モーツァルト(作曲家):少年期に求婚した逸話で知られる。