ネロ・クラウディウス・カエサル
Nero Claudius Caesar Augustus Germanicus
(37-68)
ローマ帝国(ユリウス・クラウディウス朝)第5代皇帝
小アグリッピナの子。実父の死後、母の計略でクラウディウス帝の養子となり17歳で即位。当初はセネカやブルスら側近の後見で善政を敷いていたが、次第に独立して暴君へと変貌。政敵や功臣、親族を次々に粛清したほか、64年に発生したローマ大火の罪を新興のキリスト教徒に着せ、迫害を行った。しかしガリアで起きた反乱を機に元老院の弾劾を受けて逃亡、追手が迫る中で自害した。芸術愛好家として知られ、民衆からは人気があったという。
何と惜しい芸術家が、私の死によって失われることか
スエトニウス「皇帝伝」
最期の言葉
関連人物
- 小アグリッピナ(皇族):実母。国政への干渉を次第に疎まれ、暗殺された。
- クラウディウス(第4代皇帝):養父。アグリッピナによって毒殺された。
- セネカ(哲学者):家庭教師。後に謀叛の疑いを受け、自害に追い込まれた。
- ブルス(近衛長官):後見役。セネカと共にネロを補佐し、善政を行わせた。
- ブリタニクス(皇族):義弟。帝位継承優先権を奪われ、後に暗殺された。
- オクタウィア(皇妃):前妻。不貞の冤罪を着せられ、自害させられた。
- ポッパエア(皇妃):後妻。オトーの妻だったが、ネロの寵愛を受けた。
- ウェスパシアヌス(司令官):ネロの命を受け、ユダヤ人の反乱を鎮圧。
- コルブロ(東方司令官):パルティアとの和平に活躍するが、自害させられた。
- ガルバ(ヒスパニア総督):ガリアの反乱に応じローマ入りし、次期皇帝に即位。
- オトー(ルシタニア総督):旧友。妻をネロに奪われた後、ガルバの反乱に同調。
- ペテロ(キリスト教指導者):ネロの迫害によって殉教したと伝わる。
- パウロ(キリスト教伝道者):ネロの迫害によって殉教したと伝わる。