北一輝の似顔絵

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北一輝

きたいっき
(1883-1937)
明治時代~昭和時代初期の思想家・国家主義者

佐渡島出身。本名は輝次郎。早稲田大学の聴講生として社会主義を研究。23歳の時に明治憲法の天皇制を批判する「国体論及び純正社会主義」を著し、危険思想と見なされ発禁となる。1911年に辛亥革命が起きると、中国へ渡り革命に参加。帰国後の23年に「日本改造法案大綱」を刊行、国家改造運動の中核的存在として、また「事件屋」として暗躍する。二・二六事件では直接の関与は無かったものの、軍法会議で叛乱の首謀者として処刑された。

日本国民はすべからく国家存立の大義と国民平等の人権とに深甚なる理解を把握し、内外思想の清濁を判別採捨するに一点の過誤なかるべし。欧州諸国の大戦(第一次大戦)は天その驕侈乱倫を罰するに「ノア」の洪水をもってしたるもの。大破壊の後に狂乱狼狽する者に完備せる建築図を求むべからざるは勿論の事。これと相反して、我が日本は彼において破壊の五ヵ年を充実の五ヵ年として恵まれたり。彼は再建をいうべく我は改造に進むべし。全日本国民は心を冷やかにして天の賞罰かくのごとく異なる所以の根本より考察して、如何に大日本帝国を改造すべきかの大本を確立し、挙国一人の非議なき国論を定め、全日本国民の大同団結をもってついに天皇大権の発動を奏請し、天皇を奉じて速やかに国家改造の根基を全うせざるべからず。

「日本改造法案大綱」
緒言(抜粋)

関連人物

  • 北昤吉(思想家・衆議院議員):実弟。
  • 日蓮(日蓮宗宗祖):北は立正安国思想を国家主義的に解釈したとされる。
  • 宮崎滔天(大陸浪人):北を中国同盟会に誘った。
  • 孫文(革命家):中国同盟会の同志。後に対立。
  • 宋教仁(革命家):中国同盟会の同志。
  • 大川周明(思想家):猶存社で北と活動するが、思想の違いから決別。
  • 西田税(陸軍軍人・思想家):弟子。北と陸軍青年将校の橋渡しとして活動。
  • 満川亀太郎(思想家):北や西田らと交友。
  • 荒木貞夫(陸軍皇道派):二・二六事件では反乱軍に同調した。
  • 真崎甚三郎(陸軍皇道派):二・二六事件で逮捕されたが無罪となった。

(2017/12/07 改作)

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