ガイウス・オクタウィアヌス / アウグストゥス
Gaius Julius Caesar Octavianus Augustus
(前63-後14)
ローマ帝国(ユリウス・クラウディウス朝)初代皇帝
騎士階級出身。養父カエサルの死後に執政官となり、アントニウス、レピドゥスと共に第2回三頭政治を樹立。のちレピドゥスを追放し、アクティウムの海戦でアントニウスを破り、内戦の時代が終結。前27年に元老院からアウグストゥス(尊厳者)の称号を受け、共和政の体で事実上の帝政(元首政)を始める。属州行政の整備や秩序を回復するための立法を進めたほか、文化興隆にも努め、後世に「パクス・ロマーナ」と呼ばれる黄金時代をもたらした。
私はすでに内乱を鎮圧し、万人の同意に基づき全権を担っていたが、国政を私の権力から元老院およびローマ市民の判断にゆだねた。この功績のために元老院決議によって、アウグストゥスの称号を授かった。…これ以後、私は権威においては万人に勝るが、権力については公職にある私の同僚たちよりも勝ることは何もなかったのである。
「神君アウグストゥス業績録」第34節
関連人物
- カエサル(終身独裁官):大叔父で養父。遺言状でオクタウィアヌスを後継指名。
- アントニウス(執政官):政敵。三頭政治崩壊後の後継争いに敗れ自害。
- レピドゥス(最高神祇官):政敵。三頭政治崩壊後に失脚。
- アグリッパ(軍人):腹心で娘婿。軍政面の補佐役。
- マエケナス(政治家):腹心。文政面での補佐役。メセナの語源。
- ウァルス(ゲルマニア総督):トイトブルク森の戦いでゲルマン人に大敗。
- リウィア(皇后):後妻。治世に影響力を持っていたという。
- ティベリウス(第2代皇帝):リウィアの連れ子で後継者。
- 大ユリア(皇女):前妻との娘。アグリッパ、ティベリウスに一時嫁いだ。
- ウェルギリウス(詩人):マエケナスの支援を受けて活動。
- ホラティウス(詩人):政策に共鳴して活動。
参考資料
- プリマポルタのアウグストゥス(バチカン美術館蔵)