大杉栄
おおすぎさかえ(1885-1923)
明治~大正時代の思想家・アナキスト
香川県出身。東京外国語学校在学中から社会主義に共鳴し、平民社に出入りして電車賃値上げ反対運動や赤旗事件などで入獄を重ねた。大逆事件後、荒畑寒村らと「近代思想」「平民新聞」を発刊し、社会主義運動を復興。アナキズムの立場で労働組合による直接行動を唱え、マルクス主義者と対立する。1923年に密出国するが、パリ近郊でのメーデー参加中に検挙されて強制送還。関東大震災の戒厳令下で憲兵に拘束され、妻・甥と共に殺害された(甘粕事件)。
関連人物
- 幸徳秋水(社会主義者):平民社同志。大杉に影響を与えた。
- 堺利彦(社会主義者):平民社同志。大杉に影響を与えた。
- 荒畑寒村(社会主義者):同志。アナキズムを鮮明にする大杉と後に決別。
- 神近市子(婦人運動家):愛人。大杉の「自由恋愛」に悩み刃傷に及んだ。
- 伊藤野枝(婦人運動家):愛人のち妻。甘粕事件で共に殺害された。
- 甘粕正彦(陸軍憲兵大尉):大震災の混乱に乗じて大杉らを殺害。
- クロポトキン(アナキスト):大杉が翻訳。
- ダーウィン(博物学者):大杉が「種の起源」を翻訳。
- ファーブル(昆虫学者):大杉が「昆虫記」を翻訳。