蘇我入鹿 / 蘇我鞍作
そがのいるか / そがのくらつくり
(?-645)
飛鳥時代の豪族
皇極朝大臣
蘇我蝦夷の長男。青少年期は無双の秀才だったという。皇極天皇が即位した頃には国政で権勢を振るい、643年に父から大臣の位を継承。緊迫化する東アジア情勢を受けて権力の集中を図り、近縁の古人大兄皇子を擁立して、対立する山背大兄王ら上宮王家一族を討滅する。以降、皇族や諸豪族の反発を招き、水面下でクーデター計画が進行。飛鳥板蓋宮での三韓進調の儀において、中臣鎌足・中大兄皇子らに暗殺され、蘇我本宗家は滅亡した(乙巳の変)。
まさに皇位にあらせられるべきお方は天の御子様でございます。この私めにいかなる罪があるというのでしょう。どうか詳しいご詮議のほどを。
「日本書紀」
巻第二十四 皇極天皇
最期の言葉
関連人物
- 蘇我蝦夷(大臣):父。入鹿横死を知り、自邸を放火して自害。
- 皇極天皇(第35代天皇):主。乙巳の変を受けて史上初の譲位を行った。
- 山背大兄王(皇族):政敵。入鹿主導とされる軍勢の襲撃を受け自害。
- 古人大兄皇子(皇族):従兄弟。蘇我本家滅亡で後ろ盾を失い、隠退した。
- 中大兄皇子(皇族):古人の異母弟。蘇我本家を滅ぼし、大化改新を断行。
- 旻(学僧):儒学と仏法の師。入鹿の学才を「如く者なし」と称えた。
- 中臣鎌足(豪族):学堂の同門。蘇我氏の専権に反発し、クーデターを計画。
- 蘇我倉山田石川麻呂(豪族):従兄弟。入鹿とは不仲で、クーデターに加担。
- 佐伯子麻呂(官人):中大兄に仕え、クーデターで入鹿を斬殺。
- 巨勢徳多(官人):側近。上宮王家討滅の将だったが、乙巳の変後に皇子に降伏。
- 高向国押(官人):蘇我派。乙巳の変で蘇我本家の滅亡を悟り、武装解除した。
参考資料
- 蘇我入鹿坐像(入鹿神社蔵)
(2017/01/19 改作)