阿部信行
あべのぶゆき(1875-1953)
明治時代〜昭和前期の陸軍軍人・政治家
第36代内閣総理大臣
石川県出身。陸軍士官学校、陸軍大学校を卒業して日露戦争に従軍、有能な軍事官僚として中央の要職を務め、宇垣一成陸相の次官となる。以後、陸軍内の派閥抗争とは距離を置き、1939年に組閣の大命を受け、第二次大戦への不介入、日中戦争の早期解決などを掲げた。しかし貿易省設置問題や物価統制に失敗し、陸軍や議会からも見放されて4ヶ月余りで総辞職。のち翼賛政治会総裁、朝鮮総督などを歴任し、敗戦後に戦犯指名されるも不起訴となった。
従来、内治外交共に甚だ乱れたるは、その根源陸軍の不統制にあり。…朕は自ら一線に立ちてこの問題の解決に当たる決心なるをもって、卿(阿部)これを補佐せよ。陸軍大臣は畑(俊六)、梅津(美治郎)両人の中より選定せよ。
「高木惣吉日記」
1939年8月30日 昭和天皇による大命(抜粋)