フランシスコ・ザビエル
Francisco Xavier
(1506-1552)
スペインのキリスト教宣教師
ナバラ王国出身。パリ大学留学中にロヨラの感化を受け、同志と共にイエズス会の創設に参加。のちポルトガル王の要請でリスボンに派遣され、インドのゴアへ渡り布教に従事する。マラッカ滞在時に日本開教の希望を抱き、1549年に鹿児島へ上陸。薩摩・平戸を経て京へ赴くも戦乱のために断念し、周防の大内義隆や豊後の大友宗麟に謁見して宣教を行う。ゴアへ帰還後、中国布教を志して再び旅立つが、途中の広東付近で熱病にかかり客死した。
日本に着いて我らが見聞し、知り得たところを述べる。まず我らが今日まで交流してきた人々は新たに発見した土地の中では最良で、異教徒の間で日本人より優れた人々を見つけることは出来ないと思う。この国の人は礼節を重んじ、一般に善良で悪意がなく、何よりも名誉を大切にしている、これは驚くべきことである。国民は一般に貧しく、武士も武士でない者も貧困を恥辱とは思っていない。
「耶蘇会士日本通信」
1549年11月5日付の書簡
関連人物
- ロヨラ(宗教家):イエズス会創設者。
- ジョアン3世(ポルトガル王):改宗政策としてザビエルらをゴアへ派遣。
- フェルナンデス(イエズス会宣教師):ザビエルの通詞として随行。
- トルレス(イエズス会宣教師):ザビエルから日本での宣教活動を引き継いだ。
- ヤジロウ(日本人イエズス会員):マラッカでザビエルと会い、日本事情を伝達。
- ロレンソ(日本人イエズス会員):ザビエルより受洗し、宣教活動に従事。
- フロイス(イエズス会員):ゴアでザビエルやヤジロウと交流。
- 大内義隆(周防の大名):ザビエルと会見し、宣教を許可。
- 大友宗麟(豊後の大名):イエズス会の宣教を保護し、後に自らも受洗した。
参考資料
- フランシスコ・ザビエル肖像(神戸市立博物館蔵)