イブン・ハルドゥーン
Ibn Khaldun(1332-1406)
中世イスラームの歴史家・政治家
ハフス朝のチュニス出身。法学・哲学・詩学などを修め、王朝の書記官として従事。のち北アフリカやイベリア半島の各地を渡り歩き、マリーン朝、ナスル朝、マムルーク朝などに仕えた。政務の傍らで学究にも努め、主著「歴史序説」において、社会集団に内在する連帯意識(アサビーヤ)が歴史の原動力であるとし、文明の興隆・発展・衰亡の法則性を説いた。社会学全般に及ぶ膨大な思想体系をもってイスラーム世界最大の学者と称される。
関連人物
- アリストテレス(哲学者):ハルドゥーンが影響を受けた。
- イブン・シーナー(哲学者):ハルドゥーンが影響を受けた。
- イブン・ルシュド(哲学者):ハルドゥーンが影響を受けた。
- アル=マクリーズィー(歴史家):弟子。
- アブー・イナーン(マリーン朝スルタン):ハルドゥーンを公文書の書記官に採用。
- ムハンマド5世(ナスル朝スルタン):グラナダの君主としてハルドゥーンを重用。
- イブン・アル=ハティーブ(ナスル朝宰相):ナスル朝仕官を支援したが、後に対立。
- アブー・アブドッラー(ハフス朝王族):ハルドゥーンをベジャイアの執権に採用。
- バルクーク(マムルーク朝スルタン):ハルドゥーンをマーリク派の大法官に採用。
- ティムール(ティムール朝創始者)ダマスクス攻略時にハルドゥーンと会見。