天智天皇 / 葛城皇子 / 中大兄皇子
てんじてんのう / かづらきのみこ / なかのおおえのみこ
(626-672)
第38代天皇
舒明天皇の第二皇子。母は皇極天皇。645年に中臣鎌足らと謀って蘇我本宗家を滅ぼし、新政権を樹立(乙巳の変)。叔父孝徳天皇の皇太子として政治改革「大化改新」を断行し、有間皇子などの有力な勢力を一掃した。のち唐・新羅に滅ぼされた百済を復興させるため援軍を送るが、白村江で大敗し、これを機に防備体制と行政機構を整備。667年に近江大津宮へ遷都し、翌年に即位。最古の戸籍「庚午年籍」を作成して公地公民制への土台を築いた。
香具山は 畝傍を愛しと 耳成と 相争ひき 神代より かくにあるらし
古も 然にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき香具山の神は、畝傍山の神を愛しく思い、耳成山の神と争った。
神代からこんな恋の争いがあったらしい。
昔からそうだったのだから、現代の人も恋人を巡って争うのだろう。「万葉集」
巻第一・第13番
関連人物
- 舒明天皇(第34代天皇):父帝。
- 皇極天皇(第35代天皇):母帝。乙巳の変を受け、史上初の譲位をした。
- 孝徳天皇(第36代天皇):叔父。在位晩年に確執が生じ、失意のまま崩御。
- 古人大兄皇子(皇族):異母兄。乙巳の変後に隠遁するが、抹殺された。
- 大海人皇子(皇族):実弟。皇弟として補佐するが、確執もあったという。
- 大友皇子(皇族):皇子。天智のもとで太政大臣となり、政務を補佐。
- 鸕野讃良皇女(皇族):皇女。後の持統天皇。
- 阿閉皇女(皇族):皇女。後の元明天皇。
- 有間皇子(皇族):従弟(孝徳の子)。謀叛の疑いで粛清された。
- 中臣鎌足(廷臣):重臣。病床で藤原朝臣の姓と大織冠を賜った。
- 蘇我入鹿(豪族):政敵。権力集中を図るが、乙巳の変で暗殺された。
- 蘇我倉山田石川麻呂(豪族):舅。乙巳の変に協力するが、後に粛清された。
(2017/01/19 改作)