ジョン・ロック
John Locke
(1632-1704)
イギリスの哲学者・政治思想家
ロンドン王立協会会員
サマセット州出身。オックスフォード大学卒業後にアシュリー卿の側近となるが、反乱計画に連座してオランダへ亡命。名誉革命後に帰国して執筆に専念する。1689年出版の「人間知性論」で生得説を批判し、「人間の知識は経験に由来する」経験論を主張。また「統治二論」において王権神授説へ反論し、公権力に対して個人の優位を主張。社会契約や抵抗権の思想は名誉革命を擁護し、アメリカ独立宣言やフランス人権宣言にも大きな影響を与えた。
心は、言ってみれば文字をまったく欠いた白紙で、観念は少しもないと想定しよう。どのようにして心は観念を備えるようになるのか。人間の忙しく果てしない心想が心にほとんど限りなく多種多様に描いてきた、あの膨大な貯えを心はどこから得るか。どこから心は理知的推理と知識の全ての材料を我が物にするか。これに対して、私は一語で経験からと答える。この経験に私たちの一切の知識は根底を持ち、この経験から一切の知識は究極的に由来する。
「人間知性論」
第2巻、第1章、第2節
関連人物
- ホッブズ(哲学者):ロックに影響を与えた。
- ガッサンディ(哲学者):ロックに影響を与えた。
- デカルト(哲学者):ロックに影響を与えた。
- ドライデン(詩人・劇作家):ウェストミンスター校時代の学友。
- フック(科学者):ウェストミンスター校以来の友人。
- アシュリー(シャフツベリー伯):庇護者。
- ニュートン(科学者):後年のロックと親交。
- フィルマー(政治思想家):王権神授説を唱え、ロックから批判された。
- バークリー(哲学者):ロックの経験論から影響を受けた。
- ヒューム(哲学者):ロックの経験論から影響を受けた。
- カント(哲学者):ロックの政治哲学から影響を受けた。
- ペイン(政治思想家):ロックの政治思想から影響を受けた。
参考資料
- ネラー:ロックの肖像(エルミタージュ美術館蔵)
参考リンク
- ロック・哲学早わかり(Philosophy Guides)
(2016/10/17 改作)