藤田東湖
ふじたとうこ(1806-1855)
江戸後期の水戸藩士・水戸学者
常陸水戸出身。父幽谷から儒学などを修め、江戸で岡田十松に剣を学ぶ。水戸藩主継嗣に徳川斉昭を擁立し、腹心として藩政改革に奔走。1844年に斉昭が隠居謹慎に処されると、連座して蟄居となる。赦免後、斉昭の幕政参与に従って江戸へ赴き、海防掛・側用人・学校奉行を歴任するが、安政の大地震に巻き込まれて非業の死を遂げた。藩校弘道館の教育理念を示した「弘道館記述義」は、水戸学の精髄として幕末の尊攘派志士に強い影響を与えた。
関連人物
- 藤田幽谷(儒学者):父。
- 徳川斉昭(第9代水戸藩主):主。東湖ら改革派によって擁立。
- 岡田十松(剣客):剣術の師。
- 会沢正志斎(儒学者):同門。
- 戸田忠太夫(水戸藩士):改革派の盟友。共に安政の大地震で横死した。
- 武田耕雲斎(水戸藩士):改革派の盟友。のち天狗党の乱の首領に担がれた。
- 藤田小四郎(水戸藩士):四男。尊攘急進派として天狗党の乱を起こす。
- 西郷隆盛(薩摩藩士):交流。
- 橋本左内(福井藩士):交流。
- 横井小楠(熊本藩士):交流。
参考資料
- 藤田東湖像(茨城県立歴史館蔵)