菅原道真
すがわらのみちざね
(845-903)
平安時代前期の学者・漢詩人・公卿
醍醐朝右大臣
菅原是善の三男。幼少より文才に優れ、文章博士などを歴任。讃岐守在任中の阿衡事件で渦中の藤原基経を諌め、宇多天皇の信任を得る。帰京後も要職を務め、遣唐使派遣問題など重大な国政に関わり、醍醐天皇の代で右大臣へ昇進。しかし異例の出世には誹謗も多く、901年、左大臣藤原時平の讒訴で大宰府へ左遷され、失意の余生を送った(昌泰の変)。後世に天満天神、学問の神として尊ばれている。編著に「類聚国史」、詩文集「菅家文草」など。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな
東風が吹いたら、匂いを私のもとへ届けてくれ、梅の花よ。
主人がいないからといって、春を忘れるなよ。「拾遺和歌集」
大宰府下向時の詠歌
関連人物
- 菅原是善(学者):父。文章博士や文徳・清和天皇の侍講を務めた。
- 島田忠臣(漢詩人):岳父で師。家柄は低かったが当代一の詩人だった。
- 宇多法皇(第59代天皇):道真の学識を信頼して近臣として重用。
- 醍醐天皇(第60代天皇):時平の讒言を容れて道真を左遷。
- 藤原基経(公卿):阿衡事件に際し、道真から諌められた。
- 藤原時平(公卿):道真を讒言で失脚させた張本人とされる。
- 都良香(漢詩人):対策(官吏登用試験)受験時の問答博士。
- 橘広相(学者):阿衡事件の当事者で道真が擁護した。
- 源能有(公卿):同い年で友人。
- 紀長谷雄(漢詩人):同い年で友人。
- 三善清行(文官):政変直前に道真へ引退勧告をしている。
- 藤原菅根(文官):弟子。ただし政変時には時平側についた。
参考資料
- 松平定信編:「集古十種」より
参考リンク
- 菅原道真の歌(やまとうた)
(2014/10/08 改作)