井原西鶴
いはらさいかく(1642-1693)
江戸前期の俳諧師・浮世草子作者
大坂難波出身。西山宗因の談林俳諧を学び、速吟の俳諧師として興行で名を馳せる。1682年、内輪向けに出版した「好色一代男」が予想外の人気となり、次いで「好色一代女」などの好色物を発表。他に武家物「武道伝来記」、町人物「日本永代蔵」、雑話物「西鶴諸国ばなし」などで武士や町人の生態を活写した。従来の仮名草子とは異なる浮世草子を確立。俳諧的な文を取り入れた雅俗折衷の文体は、明治期の尾崎紅葉や幸田露伴らに再評価された。
関連人物
- 西山宗因(俳人):談林派俳諧の祖。
- 菱川師宣(浮世絵師):「好色一代男」江戸版の挿絵を手掛けた。
- 北条団水(俳諧師・浮世絵師作者):門人。西鶴の遺稿を整理・出版した。
- 淡島寒月(小説家・俳人):西鶴の研究・紹介に努めた。
- 尾崎紅葉(小説家):西鶴の文体に影響を受けた。
- 幸田露伴(小説家):西鶴の文体に影響を受けた。
- 樋口一葉(小説家):西鶴の文体に影響を受けた。
- 真山青果(劇作家):西鶴を研究。
- 武田麟太郎(小説家):西鶴の影響を受けた風俗小説を発表。
- 太宰治(小説家):西鶴の影響を受けた「新釈諸国噺」を執筆。
参考資料
- 井原西鶴像(生國魂神社)