聖武天皇の似顔絵

聖武天皇,聖武上皇のイラスト

聖武天皇 / 首皇子

しょうむてんのう / おびとのみこ(701-756)
第45代天皇

文武天皇の第一皇子。7歳で父帝を失い、祖母元明天皇、伯母元正天皇の中継を経て24歳で即位。光明子の立后を巡る長屋王の変、疫病の流行による藤原四兄弟の急死、橘諸兄政権に対する藤原広嗣の反乱など、政情不安の折に度々遷都を行う。また国家鎮護として仏教政策を推進し、国分寺建立と東大寺大仏建立の詔を発布。749年に阿倍内親王へ譲位(孝謙天皇)。晩年は上皇として大仏開眼供養を実現するが、内政の安定化には至らなかった。

ここに菩薩の大願を発して、盧舎那仏の金銅像一体をお造りする。国中の銅を尽くして像を鋳り、大山を削って仏殿を構え、あまねく仏法を伝えて朕の智識となし、共に仏恩にあずかり、悟りの境地へ達したいと思う。
天下の富は朕にあり、天下の勢も朕にある。この富勢をもってこの尊像を造れば、事は成り易いが、大願は至り難い。また徒に人民に労苦を強いれば、事の神聖な意義は失われよう。ゆえに参加する者は至誠の心で盧舎那仏を敬い、自らの存念で造立に従事せよ。
一枝の草、一握りの土でもよい、造立の助けたらんと願う者があれば、そのまま受け入れよ。
国司や郡司は、造立を口実に人民を侵害したり、収税を強いてはならない。

「続日本記」
天平15年(743年)10月15日 大仏造立の詔(抜粋)

関連人物

  • 文武天皇(第42代天皇):父帝。
  • 元明天皇(第43代天皇):祖母。
  • 元正天皇(第44代天皇):伯母。
  • 光明皇后(皇后):共に仏教を尊び、悲田院・施薬院を設けて福祉事業に尽力。
  • 孝謙天皇(第46代天皇):皇女・皇太子。聖武の譲位を受けて即位。
  • 長屋王(皇族):光明子立后を巡る政争に敗れ、自害へ追い込まれた。
  • 藤原武智麻呂(公卿):四兄弟の長兄。首皇太子(聖武)を教育した。
  • 橘諸兄(公卿):藤原四兄弟没後に政権を握り、聖武を補佐。
  • 行基(法相宗の僧):聖武の帰依を受け、東大寺大仏造営の勧進を行った。
  • 鑑真(渡来僧):聖武らに授戒し、東大寺に戒壇院を設立。

参考資料

  • 「四聖御影」より(東大寺蔵)

参考リンク

(2012/08/10 改作)

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