徳川慶喜の似顔絵

徳川慶喜のイラスト

徳川慶喜 / 一橋慶喜

とくがわよしのぶ / ひとつばしよしのぶ
(1837-1913)
江戸幕府将軍後見職・禁裏御守衛総督
江戸幕府第15代将軍

徳川斉昭の七男。水戸弘道館に学び、11歳で一橋家を相続。将軍継嗣問題で徳川慶福(家茂)に敗れ、安政の大獄で隠居謹慎後、将軍後見職として公武合体策を進める。家茂の死後に将軍に就き幕政改革を図るも、薩長の倒幕の動きを察して朝廷に政権を返上(大政奉還)。しかし王政復古を宣言され、直後に勃発した鳥羽・伏見の戦いで敗走、江戸城の明け渡しを受けて水戸、駿府で謹慎。赦免後は新政府で貴族院議員になるが、専ら趣味に生きた。

臣慶喜、謹んで皇国の時運の変遷を考えてみまするに、…政権が武門に移ってより、祖宗(家康)に至ってさらなる御朝恩を賜り、200年余り子孫が将軍職を受け継いできました。私はその職を奉じて参りましたが、政治や刑罰で当を失する事が少なからず、今日の形勢に至ったのも、ひとえに私の不徳の致すところ、恥じ恐れ入るばかりです。まして近頃は外国との交際も日々盛んになり、いよいよ朝廷に権力を一つとしなければ国家の大本が保てません。そこで従来の旧習を改め、政権を朝廷に返し奉り、広く天下の公議を尽くして御聖断を仰ぎ、同心協力して共に皇国をお守り仕れば、必ずや海外諸国と並び立てるでありましょう。

慶応3年(1867)10月14日
大政奉還の上表文(口語訳・抜粋)

関連人物

  • 徳川斉昭(第9代水戸藩主):父。
  • 徳川家茂(第14代将軍):将軍継嗣の対立候補。慶喜が将軍後見職を務めた。
  • 井伊直弼(大老):安政の大獄を主導し慶喜を隠居謹慎処分とした。
  • 徳川慶勝(第14代尾張藩主):慶喜らと直弼に抗議し、安政の大獄で処分。
  • 松平慶永(第16代福井藩主):政事総裁職として慶喜と共に幕政改革を行った。
  • 松平容保(京都守護職):会津藩。尊攘派・長州藩への対抗を通じて提携。
  • 松平定敬(京都所司代):桑名藩。尊攘派・長州藩への対抗を通じて提携。
  • ロッシュ(フランス公使):将軍慶喜の幕政改革を支援。
  • 明治天皇(第122代天皇):慶喜が政権返上を上奏した。
  • 小栗忠順(幕臣):鳥羽・伏見の戦いで慶喜の恭順論に対し、徹底抗戦を主張。
  • 勝海舟(幕臣):軍事総裁として江戸無血開城を主張。
  • 徳川家達(第16代当主):新政府から徳川宗家の相続を許可された。

参考資料

  • 川村清雄:徳川慶喜像(徳川記念財団蔵)

(2017/08/09 改作)

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