森鴎外 / 森林太郎
もりおうがい / もりりんたろう
(1862-1922)
明治時代~大正時代の小説家・陸軍軍医
大日本帝国陸軍軍医総監
石見国出身。東京大学医学部卒業後、陸軍軍医としてドイツへ留学。日清戦争・日露戦争へ出征し、軍医総監まで上り詰めた。公務のかたわら文筆活動も行い、1890年に小説「舞姫」で文壇に登場。他に「ヰタ・セクスアリス」「青年」「雁」「阿部一族」「山椒大夫」「高瀬舟」「渋江抽斎」や翻訳「於母影」「即興詩人」「ファウスト」などを著し、さらに詩作や評論など多彩に展開。晩年は帝室博物館総長や帝国美術院長なども歴任した。
芸術に主義というものは本来ないと思う。芸術そのものが一の大なる主義である。
…無政府主義と、それといっしょに芽ざした社会主義との排斥をするために、個人主義という漠然たる名をつけて、芸術に迫害を加えるのは、国家のために惜しむべきことである。 学問の自由研究と芸術の自由発展とを妨げる国は栄えるはずがない。「文芸の主義」(抜粋)
明治44年(1911)4月
関連人物
- 西周(思想家):少年期の鴎外が通学のために居候した。
- ペッテンコーファー(衛生学者):ミュンヘン滞在時の師。
- コッホ(細菌学者):ベルリン滞在時の師。
- 北里柴三郎(細菌学者):ベルリン滞在時に交流。
- 坪内逍遥(小説家):写実主義を掲げ、鴎外の理想主義について論争。
- アンデルセン(童話作家):「即興詩人」の原作者。
- ゲーテ(劇作家):「ファウスト」の原作者。
- 山県有朋(元老):歌会で交流。
- 与謝野鉄幹(歌人):歌会で交流。
- 森茉莉(小説家・随筆家):長女。
(2017/01/16 改作)