榎本武揚
えのもとたけあき(1836-1908)
幕末の幕臣、明治時代の外交官・政治家
江戸出身。長崎海軍伝習所に学んだ後、オランダへ留学。1868年に海軍副総裁となり、江戸開城で幕府が崩壊すると、新政府への幕府軍艦の引き渡しを拒否して品川沖から脱走。箱館五稜郭を占拠して独立政権を樹立するが、新政府軍との抗戦の末に降伏、投獄された。1872年に特赦出獄して新政府で北海道開拓の調査に携わり、のち駐露公使として樺太千島交換条約を締結。帰国後は海軍卿・逓相・外相・農商務相・枢密顧問官などの要職を歴任した。
関連人物
- ジョン万次郎(通訳・教師):私塾で榎本に英語を教えた。
- 徳川慶喜(第15代将軍):主君。
- 勝海舟(幕府陸軍総裁):長崎海軍伝習所時代からの先輩格。
- 大鳥圭介(幕府陸軍奉行):箱館戦争で共に抗戦して降伏。
- 土方歳三(幕臣):箱館戦争で徹底抗戦するが敗死。
- 黒田清隆(新政府軍参謀):榎本の才を惜しんで助命に尽力。
- 福沢諭吉(思想家):榎本の新政府での要職歴任を批判した。
- 伊藤博文(初代首相):榎本が初代逓相として入閣。
- 松方正義(第4代首相):榎本が外相として入閣。
- ゴルチャコフ(ロシア外相):1875年に樺太千島交換条約を締結。